感情表現編@ 〜感情を表に出そう〜

感情表現といえば最も演劇というイメージから想像されるものではないだろうか?やはり演技に感情表現はつき物だし、これが変だと客にも伝わらない。

@ 感情を出すことに慣れよう

 まずはじめに、感情を出すことに慣れよう。特に演劇をこれから始めるという場合、感情を表に出すことが照れくさいという 場合が多い。これは誰にでもいえることである。芝居上で必ずしも、大きな感情ばかりをやれというわけではないが、 感情を出し切れない場合、その照れや中途半端さが客に伝わり、客に意図している部分が伝わりづらくなってしまうのだ。

A 喜怒哀楽をしてみよう

 短い詩などの文章を喜怒哀楽の基本的な4つの感情で読む練習である。1回ごとに感情を変えるのも良いだろうし、1行ごとに感情を変えていくのもいいかもしれない。
最も参考にできるのは、青雲書房から出版されている「演劇・けいこの基本」に載っている、発声調音が使いやすいだろう。

例@
1回ごと
だんだん空がくらくなってきた
どれほどの道を歩いたろう
しかし道はまだ続く
私が歩いてどこまでも行くかぎり
私のしらないどこかの街まで続いていく

だんだん空がくらくなってきた
どれほどの道を歩いたろう
しかし道はまだ続く
私が歩いてどこまでも行くかぎり
私のしらないどこかの街まで続いていく






例A1行ごと だんだん空がくらくなってきた
どれほどの道を歩いたろう
しかし道はまだ続く
私が歩いてどこまでも行くかぎり
私のしらないどこかの街まで続いていく
だんだん空がくらくなってきた
どれほどの道を歩いたろう
しかし道はまだ続く
私が歩いてどこまでも行くかぎり
私のしらないどこかの街まで続いていく

B キャッチボールをしよう

 言葉のキャッチボール。感情をこめたキャッチボールをしてみよう。
@ 感覚慣らし
この練習は言葉のキャッチボールを元に行う。イメージしやすいよう、キャッチボールをマイムで行って練習する。なので、まず、キャッチボールのマイムに軽く慣れる。その際、「おはよう」と掛け声をかける。
A 感情を入れて
「おはよう」にいろんな感情を乗せてキャッチボール。この時に注意するのは、ちゃんとその感情を自分で作ってから投げることである。そして、相手にその感情を届けたり、ぶつけたりすることである。
B 感情と逆の行動
感情にそぐわない動きで投げてみよう。やりやすいのは、軽く投げながら「怒り」の感情をぶつけるのと、おもいっきり投げながら「嬉しい」感情を届けることだと思う。
実はこれは本当にその感情であったら、することができない感情と動きの組み合わせです。怒っているのに優しい動きはできないし、嬉しいときに硬い動きはできません。人間の体は感情によって、動き方が違うのです。
また、相手に感情を伝える場合、特にキャッチボールでボールを放す瞬間、つまり語尾に最も感情が集約されるのです。
C 結論
感情と体の動きは必ず一致する。一致していない場合は嘘なのである。「これっぽい」という芝居を表面だけでやっていると陥るのがこの嘘状態。感情に合った行動を観察・認識しよう。