照明編A〜プランニング〜

1.脚本を読む どこの分野でもそうだが、脚本を読むこと。
脚本を読んで照明のプランニングをする際の留意する点はまず暗転、明転。 それに、そのシーンの実写的描写・雰囲気的描写を想像することが大切である。
例えば、実写的描写は夕焼けのシーンや昼間のシーン、室内であるなどの具体的な照明の色や角度を考えることである。
また、雰囲気的描写では演出効果を高めるためにはどうしたらよいかなどを考えることである。
まぁ、こう書かれていると難しく考えてしまいそうだが、とにかくイメージを作るということである。
ただ注意しなければいけないのは、前述のように、照明の役割は役者の顔を見せるということが最も重要である。
客は役者の顔が見えないということで、言っている台詞の感情が読みにくくなってしまう。 結果として、客が疲れてしまい、芝居を観てくれなくなってしまう可能性が出てきてしまう。 また、あまりキツイ色を長時間つけておくことや、色をころころと変化させることも落ち着かなかったりして客がつかれてしまうのでお勧めできない。

2.イメージ作りには
色や光量は効果的に使うことでより演出効果を高めることができる。 色を出す手段として、一般的には東京舞台照明などが販売している『ゼラ』(昔はゼラチンで出来ていた名残でこう呼ばれている)と呼ばれるカラーフィルターを使う。
ちなみにゼラとうのはカラーフィルターの総称で東京舞台照明では『ポリカラー』という商品名で売られている。 しかし光量は別として色のイメージは自分がイメージするだけでは案出しにくい。
そこで、東京舞台照明が用意しているカラーフィルター色見表を手に入れると便利だろう。
ゼラの色を見る際には必ず蛍光灯ではなく、白熱灯ですかしてみる事。といのは、舞台の照明は蛍光灯ではなく、白熱灯が使われているためだ。蛍光灯は白っぽく、白熱灯は黄色っぽい光が出ているため、イメージしている色と実際に使うときの色が違ってしまうためである。
また、ゼラは基本的に1枚800円で高め(とは言っても60cm×80cmと大きいが)なので、予算節減だからといってカラーセロファンを使うことはお勧めできない。60wくらいの家庭電球なら燃える心配はないが、舞台用の照明は500wや1000wが基本なので、熱温度に耐え切れず燃えてしまう可能性が高いのである。

3.Qシートを作ろう
まず、色イメージが出来上がったら、舞台の配線に合わせてどうしたらそれが実現できるかを考えてみる。
上からの明かりならサスを使うのか、ボーダーを使うのか、それとも全部使うのかなどである。
それと許容電流のことも考えなければならない。ホール専属のプロが付いていれば大丈夫だと思うが、そうでない場合、自分で確認をとらなければならない。なぜなら許容電流以上の電流だと、発火の恐れもあるし、機材が壊れたり、ブレーカーが落ちることも考えられる。
もし本番中これらが起こった場合、芝居自体の進行が不可能になってしまう。

さて、回線の設計ができたらいよいよQシートを作る。
Qシートというのは照明の転換のきっかけを書いた紙である。 覚えてしまえばいいのだが、役者と違って間違えるとアドリブが利かないのが照明や音響である。そのために、確実性を増すために作るのが理由の一つだ。
それともう一つ。照明を口で説明して言ってもなかなか分かりにくいものである。そこでこのQシートを用いることで照明を操作する人以外でも照明の変化を容易に知ることが出来るようになるのである。
ということはつまりQシートは誰が見ても分かるように作らなければいけないことになる。
どうすれば解りやすいQシートが作れるのであろうか。
それは、ページ、シーン、使う照明の種類などを一列に全部書き起こしておけばよいのである。

Qシート例