大道具編 C〜作ってみよう基本編〜

まず人形立てを作ってみよう。
人形立てとはパネルなどを立てる時に使うものである。詳しくはココ

パネルを立てるということはもちろん正確に直角を作らなければならない。 つまり大道具で木材を切るときの基本である『直角に切る』ということの練習になるわけである。
どうせ作るのならパネルの方が実用的でいいって?
いやいや、人形立てはしっかり作れば人形立てのみで独立して立つので出来が一目でわかるのだ。
また、木材を斜めに切る練習や、ベニヤを切る練習もできるのである。
つまり人形立てには木材カットの基本と応用、釘打ちの基本と応用が盛り込まれているのだ。
また何よりも練習であるのならパネルを作ることより木材が少なくてすむ。おっと前置きが長くなったかな?

1 木材を直角に切る 人形立ての[縦:横]の割合は[2:1以上]であるのがよい。
ここでは縦90cm・横45cmとして説明していく。
まずやること、それは木材を目的の長さに切ることだ。繰り返すが 小割りの2面(3面がベストだが)に曲金を使って正確に罫書く。そして90cmと42cmの木材を切り出す。
切り出したら曲金を使って下の図1のように直角に切れているか確認しよう。意外と直角に切れてなかったりするぞ!
確認するときは両端と真ん中を2方向から確認しよう。
もし切り口が直角ではなく下の図2のようになっていたら木工用の金やすりで削って修正しよう。
やすりの使用上の注意は 大道具編1へ!
図1
図2

2 直角に木材を打つ
「1」で木材は直角になっているはずなので、実際は直角に打つことよりはズレないように打つ方が難しいかもしれない。 ズレるとは図3のようなことである。
図3

これは最初にピタッと合わせても釘を打つ振動でズレてしまうということが一番多い。

対策: 木材を床に寝かせた状態で打つのではなく、立てて2人一組でやるのが良い。この時気をつけることは押さえる側はしっかり押さえてズレないようにすることと打つ側は押さえている手をナグリで打たないようにすることである。

しかし大概の場合は1人でやると思う。その時は1度合わせて打つ位置を罫書いた後、釘を図4のように途中まで打ち込み、それからもう一度合わせて最後まで打ち込むと上手くできる。
図4

3 ハギレをあてる
さて、これで下の図5のような状態が出来上がっていると思う。しかしこれだけの状態では今一つしっかりしない。
そこで図6のように片面にベニヤのハギレをあててしまう。そうすることによって強度が何倍も上がるし、この後の作業もやりやすくなる。
図5 図6

4 斜めを入れる
このままではハギレで補強したとは言え力がかかれば簡単に壊れてしまう。そこでつっかえ棒として斜めに小割を入れる。
この時、切る角度を正確にしないとうまく行かない。しかし一々この角度を計っていては日が暮れてしまう。
そこで図7のように小割の上に今作った人形立ての作りかけを乗せて罫書く。
※斜めに切るときは2面ではなく3面に罫書いた方が正確に切ることができる。
※斜めに切るのは垂直に切るのより切りにくいので注意。
図7
※よくある切りミス↓
図8 これは切っているうちに段々切る方向がずれてしまうことでおきる。
これができたら釘を打ち込んでみよう。
図9のように釘は内側から打ったほうが良い。というのは逆から打つと斜めから釘を打つ結果、図10のように釘の長さが足りなくなったり釘が出っ張ってしまったりするのである。
図9 図10

5 補強 木材の各接点に上の”3”でやったようにベニヤのハギレをあてる。(図11参照)両面にハギレを当てるとより頑丈なものが作れる。
また、図12のように一本角材を通してみるのも良いかもしれない。
図11 図12
6 その他の形の人形
ここで紹介するのはヌキ板を使って作ったタイプの人形。他にも形はいろいろあるかもしれない。
図13